魔犬…それは魔的な犬のこと…
そしてレオパルド…
それはネコ科の哺乳類であるヒョウ、およびその毛皮のこと…!!
新コインボス、魔犬レオパルド実装!
さて、最近新しいコインボス「魔犬レオパルド」が実装されたとのことで、アストルティアの民は「ワンワン!」「ワンワン行こ!ワンワン!」ととても和やかな感じなのですが、週末ライトプレイヤーの私にとって新コインボスなんて到底歯が立つような相手ではない、だって言うたらエンドコンテンツみたいなものでしょ!と悔しさに震える拳を握り締めながらその様子を傍観、でもふくびきはやろう、新しいコインならお金に換えれば大儲け間違いなしや!と福引きで参加しました。まあ、1等なんてね、少ない福引きでそうそう当たるもんやないけどね!
チャララララーン!当たりました。
当たったなら、行くしかないわな!!!
突撃!魔犬レオパルド!
ということで、魔犬レオパルドという最強コンテンツに挑む4人の猛者が集まりました。
相手にとって不足なし、僥倖にも私のフレンドの中で考えられる最強メンバーが集まったと言えるでしょう。
ただ、ホユさんがレンジャー97であることは若干気になりますが、しかし私も108レベルと自慢できるレベルではありません。
ここは言いたいことをグッと堪えて大人のコミュニケーションをはかります。
おっ!?クゥさん!?踏み込んだな!「えっまさかホユさんそれで行くんじゃないよね?転職する気配ないけどちょっと遠回しに踏み込んでみようかな」という心の声が確かに聞こえた気がしました。グッジョブだぜクゥさん!
・・・
ただ、みんな魔犬レオパルドに関しては「こういう職業が良いのでは?」という意見は一切無さそうで、急に3人とも真顔で虚空を見つめている感じだったので、好きな職業で行くことにしました。
大丈夫大丈夫、その職業に愛があればさ、大丈夫だよ。
愛着のある職業はスキルも豊富だし、装備だって揃ってるはずだからね。
ホユ?
さあ、どうのオノを担いだ、言わばそのへんの木こりと一緒くらいの感じのレンジャーと共に、我々は魔法の迷宮に入ったのだった!
獰猛な唸り声が聞こえてくる…
くっ…ある意味記念受験みたいな気持ちで来てはいるものの、ひさしぶりのコインボス…さすがに緊張するぜ…!
おそらく同じ気持ちの3人の心をリラックスさせるためにも、ここはパーティリーダーとして彼らに声をかけます。
ただ、こちらの気持ちもだいぶん混乱していたため、モチベーションの着地点がわからない声かけになってしまいました。
大丈夫、彼らはきっと汲み取ってくれるはずさ。
キリトさんは、界隈では多分結構有名なトッププレイヤーの一人なので、彼に「勝たないとね」と言われると「えっもしかしてマジで勝てるかも?」と若干興奮します。
そしてクゥさんは「試されてる感。。。」と、この強敵レオパルドを己の実力を図る試金石として感じている様子。彼の武者震いが画面越しに伝わってくるようです。
ただ、あとでクゥさんのブログ記事を見てみますと、当時の心理的なものが書いてありまして。
どうやら本気で戦うのか面白い感じを目指すのかわからず「試されている」と思われていた様子。クゥさん!?男はいつだって全力プレイよ!?
そしてついにご対面。
想像以上に小さい相手に、驚く我々。見た目には弱そうです。
しかし…。
私はバージョン1のころのあのバズズの恐怖を知っています。
あの小さい体から繰り出される極悪たる攻撃。
当時非常に高価だったコインを使って、負けたら一瞬でそれが無くなるという緊張感の中戦ったあのバズズ。
それと同じ匂いがする…この邪気…間違いない…こいつは、紛れもなく強敵だ。
仲間たちも奴に秘められた邪気を感じとったのでしょう、わずかに気後れしている様子が伝わってきます。
ここはわたしはパーティリーダーとして、彼らを鼓舞する言葉を紡がねばならないでしょう。
そう…!
俺たちには知識も、力も、職業とかのバランスとかも、色々足りないかもしれない!
でもな、俺たちには最後にして、最強の武器がある!
そう、それは絆…!
これまで共にこのアストルティアを歩んできた絆がー
絆ー・・・?
いや待てよ・・・?
そういえばサポート上のお付き合いしかしたことない間柄でした。
絆すら無かった。
ほぼ他人。
とはいえ、いざ。戦闘の直前。
さすが歴戦の勇士たちは最適と思われる食事を準備しています。それも★3。
彼らの本気がその無言の行為からも伝わってきます。
私はほとんど食事のことを忘れていたので、危ない危ないと冷や汗をかきながら、さっそくカバンをごそごそします。
な、なんか持ってきてたかな…
しんせんたまご…食える…?
あるいは、おいしいミルク…?
なぜか唯一あったバトルステーキを食べて雰囲気だけは誤魔化すことに成功しました。
突如戦闘を目前に攻撃力をあげる僧侶に、果たして彼らは何を思ったのかわかりませんが、特に何も言われなかったので何らかの納得をされたんだと思います。
開戦
準備万端!!いざ、戦闘開始です!!
かかってこいよレオパルド…お前のその牙、その爪で繰り出されるいかなる攻撃も…この最強僧侶イコプの回復魔法で…
癒し尽くしてくれる!!!
カチーン
開始5秒で凍りついた僧侶を目撃し、初手からせかいじゅのしずくをふりまくクゥさんの様子。
我々の信頼関係を如実に表しているかのようです。
くっ武闘家、僧侶はこおりつき動けず、クゥさんはサブヒーラーというかメインヒーラーの役割を求められている!
このような状況では、アタッカーとして残されたのはホユしかいない…頼むぜ、ホユ!お前のレンジャーとしての狩りの能力、俺たちに見せてくれ!!
ホユ、お前はサブヒーラー、頼むぜ!
死闘の果てに
途中、ワンワン!と仲間を呼ぶ魔犬。
ただでさえ強力な奴の攻撃に加えて、影たちの処理も必要となり、ワチャワチャとします。
そしてジバルンバ的な秘術も加わり、立ち位置が難しい。
回復を唱えようとしていると足下にジバルンバが出現して、なかなか回復も十全とできません。
混乱してやることがわからなくなった僧侶は「とりあえず聖女をばらまけば何とかなる」と思い始める、これがドラクエ僧侶あるあるです。
そうして、一進一退の激しい攻防が続きます。
しかし、押されながらも、確実に反撃の刃は奴に傷をつけ続けている。
このまま戦い続ければ、この勝負、いけるぞ…!
武闘家キリトの強力な殺撃。
サポーター兼アタッカー兼サブヒーラーとしてパーティを支える魔戦クゥ。
ポルカ、ザオラルと回復に奔走するホユ。
そして癒しの鬼、イコプ。
戦いの中で、お互いのやろうとしていること、やりたいこと、してほしいこと、それらが言葉を解さなくても、動きや、視線、そしてその息遣いすらからも感じられるようになる。
ギクシャクしていた、我々のチームワークが一つの有機体として結合し、まるで一つの大きな生命体のようになった頃…
ついに、長き戦いに、決着がついたのだったー。
俺たちはけして諦めない
レオパルド。確かに奴は強敵だ。
でも、御せない相手じゃない。
何より、俺たちの牙はまだ折れてはいない。
俺たちは再び立ち上がり、目を合わせると、深くうなづいた。
さあ、まほうのめいきゅうへー。
もう、俺たちに言葉はいらなかった。
ただ、勝つんだ。
諦めなければ、その足を止めなければ。
必ず、最後には勝利が待っているのだから。
いくぞみんな!
やったー!!
ー完ー
おまけ
解散前に、本当にホユどうのおの装備してんのかな、さすがにそれはないかなと思っておそるおそる装備をこっそりみてみたら
私は深くうなずき画面を閉じた。