天ぷら蕎麦が食べたい。
ある日目覚めると奥さんが言いました。
「おいしい天ぷら蕎麦が食べたい」
「!!」
あまり何が食べたいとか言いださないタイプの奥さん(ミイホン)がその目をキラリと光らせ蕎麦が食べたいと言い出したので、これはもう夫として全力を尽くすしかありません。
「よしわかったそこまで言うなら世界一うまい天ぷら蕎麦を食べに行こう」
「そんな凄いのじゃなくてもいいよ」
胡蝶庵 仙波にやってきました。
ということで車で2時間弱。
やってきました、岐阜県中央あたりに佇む【胡蝶庵 仙波 】という蕎麦屋さんです。
「ここが世界一の蕎麦を出す店なんだね!」
「そう…何せあの有名サイト、食べログで6位?か7位くらいに入ってたからね。食べログで6位ってことはほぼ世界を制したといっても過言ではないよ」
中に入ると、薄暗いとても静かなお店。
厳かな和の空間に心が引き締まります。
「静かだね」
「10歳以下の子供は入店禁止らしい。そのハードルの高さからも、この店の本気度が伝わってくるよ」
「いらっしゃいませ」
「へーお蕎麦以外にも色々あるねえ。この『そばがき』ってなんだろう」
「ものは試し、頼んでみましょう。おかみさん、このそばがきと、天ぷら蕎麦を二つください」
「かしこまりました」
実食
「お待たせしました」
「えっ」
「・・・」
「(た・・・た・・・大変だ・・・・)」
「(この女将さん、間違えて完全に蕎麦になる前の、こねただけの状態のやつを持ってきてしまってる・・・ )」
「(いやしかし、このこねた状態のやつ、湯気が出てる・・・これは茹でてある・・・そうか大将が麺の状態に切るのがどうにも面倒になってしまって一か八かそのまま茹でてやれぇいとそういう大博打に出てしまったのかもしれない。そうであれば私は客としてどうリアクションするのが正解なのか、一口食べてから『てオオーイ!!塊!塊!』と言いながらゴロゴロそのへんを回)
「これはなんですか?」
「こちらが『そばがき』です。おもちみたいで美味しいですよ」
「へえ!おもち!」
どうやら蕎麦粉を丸めて茹でた食べ物のようで、もちっとした食感で、醤油につけて食べると蕎麦の味の餅みたいな感じです。
「ほふほふコイツァ美味い、俺はてっきり麺にする前のやつを後は野となれ山となれとばかりに強引に出してきたのかと思ったよ」
「塩だけつけて食べても美味しいね」
「はい、そしてこちらがお蕎麦です」
「きたきた!」
「こいつぁお美しい!」
「お上品だねえ!」
蕎麦の一本一本に、そば粉のザラザラした食感が残り、カツオの風味の効いた出汁が絡んでいく。天ぷらも美味いですがもうこの蕎麦だけで完全に完成された味の極地。
「美味しい!女将さん!日本酒いっぱーい!」
「おっ!ミイホンさん乗ってきたねえ!」
「ゴクゴクゴク」
ボフン
岐阜にきたら是非。
上質な大人のお蕎麦やさん、そんな感じでした。
岐阜を訪れた際には是非。
「胡蝶庵 仙波」 > 岐阜県岐阜市日光町3-26 058-232-6776 11:00~16:00 月曜定休 禁煙、10歳以下のお子様入店不可 P10台ほど