しばしばオフトン

平和主義の辺境の内科医

【ご飯】ゆず風味の醤油ラーメンに痺れる/龍月(梅森店)

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「どうしても今日はラーメンが食べたい後生だ今日はどうしてもラーメンをああ日々の労働に汗を流し遂には力尽きそうなこの哀れなパリアーイコプに今日という日ただただ一杯のラーメンをどうかラーメンを食べさせてはおくれぬだろうか〜」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「ラーメンいいねえ」

ということで、ものすごいラーメンが食べたい気分だったので、お出かけついでの昼ごはんはラーメンにすることにしました。ラーメンというのは中々こってりなので、ミイホンさんが場合によっては「今日は・・・そんな気分じゃないの・・・」と伏し目がちに地面を見つめてしまう可能性があるメニューなので、そうなってはいけないと今日は先回りして、哀れなプロレタリアを演じきる大戯曲のごとく哀願したのですが普通にミイホンさんもラーメンオッケーな気分だったので、ある程度戯曲のやり損だったわけですが、とにかく結果として昼ごはんはラーメンということになりましたので良かったです。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「せっかくなら普段行かないところに行こう。そうやね、龍月とかどう?」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「なにそこ、行ったことないよ」

龍月。

それは私がまだ子供と呼べる年頃から愛知県に点在するラーメン屋。昔、母に連れられて龍月に行ったとき、そのラーメンのうまさに「母さんこのラーメン!うまい!」と目をキラキラさせて語り、母が「そうようまいのよ」とニヤリと微笑んだ・・・そんな感動のシーンが思い起こされます。書いててそれほど感動的でもないような気もしてきましたが大丈夫です。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「昔行ったとき美味だったんよ。ひさびさに行ってみたい」

龍月 梅森店

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さて、到着。

名古屋から少し離れたその一軒家風の店舗。 大人なら屈んで入らないと入れないほどの小さな入り口に、店主の何らかのこだわりを感じます。おそらく「うちのラーメンを食わせるためにはそれなりの気概を見せてもらわなきゃあなんねえ。この小さな入り口、お前にくぐれるかい」というような試練的なものだと思います。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「試されているよミイホンさん。我々は資格を持ちし者なのか。「くぐれし者」なのかとね」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「よいしょっと。あっ中は広いね」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「待って待って雰囲気出していこうよ。あっ広いね」

中に入ると、半裸で全身から汗の湯気を吹き立たせた屈強な店主が湯切りの道具を両手に持ち厨房に静かに佇んでいる・・・というようなことはなく、愛想の良さそうのおばちゃんが「はいよー席用意するからちょっと待っててねー」と言われました。どうやら「くぐれし者」として完全に認められたようです。

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席に座ると、伝説の石板的な感じでメニュー票が置いてありました。

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「この期間限定のメニューもおいしそうだね」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「ちょっと待ったー!!!ミイホンさん初めてでしょ!そういう野菜サラダラーメンみたいなのは通い慣れた常連さんが「たまにはちょっと変化球も投げてみますか」みたいな感じで頼むためのメニューであって、初心者が本当の店の味を知るためにはまさに邪道!!今日は黙ってこの一番右の「中華そば」を頼むと良いでしょう。それが王道というものだよ」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「じゃあそれでいいよ。お腹減ってきたよね〜」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「ペコペコだよね〜」

ということで、私はラーメンと餃子のセット。ミイホンさんは後半にデザートを追加することを見据えてラーメンのみ注文しました。

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「はいよ、ラーメン」

コト

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f:id:ikopu:20171216151027j:plain「う、うまそー!!!」

油は少なめ、醤油ベースの濃厚スープ。

そして麺は私の好きな卵の中太麺です。

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コシがしっかりあって、太い麺に少し濃いめに作られたスープが絡みます。少しスープにゆずの風味がつけてあって、「えっラーメンにゆず?」みたいな気持ちにさせるかと思いきや、ゆずの爽やかさがスープの濃厚さを爽やかに中和させる。そして、中盤からは備え付けの謎の酢を加えることで、酸味のアクセントが追加されていく。後半大事にとっておいた半熟の卵が箸によって決壊し、黄身が スープに溶け込んでいくことで、まろやかさが全体に広がる。コク、酸味、まろやかさが渾然一旦となりもうパニック!大将!替え玉いっちょう!

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私の魂の叫びに呼応するがごとく現れる替え玉。ラーメンにはコショウだろうという軟弱な既成概念をあざ笑うがごとくにコツンと置かれている「一味唐辛子」を、私はまるで何かに操られているかのようにラーメンにふりかける・・・。醤油、ゆず、酢、卵、それらが怒涛のシンフォニーを繰り広げる中、まさかこの一味唐辛子がコンダクターになるなんて・・・すべてを統一させる、一本の線たる存在・・・それが一味唐辛子・・・僥倖・・・なんという僥倖・・・ありがとうございます・・・!!

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さてセットのご飯とか餃子も普通に美味しかったです。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「どうだった?」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「すごい美味しかった、また来よう」

ということで、女子にもウケるラーメン屋!龍月です! なんとなくオシャレなジャズ風のBGMもかかってますし、とんこつラーメン屋のようなスゴイ匂いも一切漂っていませんので、これは「ちょっと今日はどうしてもラーメンが食べたいけどデートにラーメンなんて言い出せないどうしようもうチキンラーメンをこっそり懐に忍ばせておくしかないのか」とかそういう窮地に立たされた大学生男子とかにもオススメのデートスポットかもしれません。

近くの方は是非〜!

イコプのカメラ道② カメラを持ってそれっぽい庭園に行った

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f:id:ikopu:20171216151027j:plain「休みだ!カメラだ!」

カメラを携え庭園へ

休みの日。

嬉しさ溢れて、買ったばかりのカメラを持って1人庭園に向かいました。

その日は妻は仕事。奇跡のインドア派を自負する私としては、妻がいない日には自宅で布団にもぐっているのが通常コースであり、1人でカメラを持って出かけるなどありえないことです。しかし、これまで仕事やらで出かけられず、部屋の中や暗い夜道しか試し撮りできなかったので、外の景色を撮ってみたいと思ったのです。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「よーっしゃよっしゃいい写真撮るぜよ」

向かった先は、白川庭園という近所の庭園。庭園というからにはいい写真が撮れる場所に違いありません。

さっそくツイッターで報告。

さて、いざ周りを見渡すと、大きなカメラを持った「完全に玄人」という風貌の男たちが写真を撮りまくっていました。どうやらやはり写真を撮るのが趣味の方たちのスポットでもあるようです。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「うわあ・・・なんだあのバズーカみたいなカメラは・・・そして三脚とか装備がすごいな・・・」

こちとらカメラを入れるバッグなんかも無いので、裸のカメラを首から下げているだけのスーパーカジュアルスタイル。業者の人かな?みたいな方々たちと並んで、なんだか気後れします。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「大丈夫大丈夫、こういうのは下手なうちからガンガン前に出ていったほうが結局上手くなるのが早いっていうからな。気持ちだけでもプロの気分で行こう。ただ万が一『やあホワイトバランスはどうしてます?』とかそんな感じで話しかけられたら走って逃げよう」

そういう感じで堂々としかし人があんまりいないあたりに陣取り、いざ写真を撮り始めます。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「よっしゃ・・・唸れ俺のニコンディーエフ!魂の写真を写しとるのだ!!」

ガシャ!!

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f:id:ikopu:20171216151027j:plain「うわあ」

めちゃめちゃ明るく撮れました。

明るいというか真っ白すぎて何がなんだかわからない感じです。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「オートモードじゃないと中々難しいな・・・しかし練習だ。ISOとやらをこう・・・下げていけばきっと・・」

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f:id:ikopu:20171216151027j:plain「闇夜やん」

オートモードでやっていた時はあまりわからなかったのですが、明るさの調整が非常に難しいことに気づきました。何かやり方があるのかもしれませんが、ファインダーを覗いてる時は普通に見えてても、いざ撮ってみると暗くなったり明るくなったりするのです。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「えーこのくらいかな・・・えいや」

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f:id:ikopu:20171216151027j:plain「や、やったー!!!完璧や!!!」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「・・・・」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「完璧だけど・・・これいい写真か・・?」

明るさ的にはちょうどいい写真が撮れたのですが、なんというか物凄く普通の写真。もっとこうフォトジェニックでインスタグラムに載せようものなら表参道を闊歩するOLたちがいいねを1万回くらい連打するようなそんなオシャレな写真が撮りたい。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「なんというか・・・もっとこう広い景色を撮りたいというか・・・]

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f:id:ikopu:20171216151027j:plain「なんという普通の写真」

いろいろ試行錯誤して気づいたのは、景色を撮ろうとするとすごく普通の写真になるということでした。

しかし庭園に来て景色を撮ること以外にやることは無いのでは・・・。そう思っていた私に、ツイッターがポロンと鳴りました。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「そうか!鳥だ!生き物を撮ればいいんだ!そういう写真よく見る気がする!」

ガシャ

f:id:ikopu:20180109231650j:plainf:id:ikopu:20171216151027j:plain「・・・」

とりあえずツイッターで報告します。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「たしかに」

気づいたのは鳥は遠くにいるので上手に撮れないということです。遠い鳥を上手に撮る、そんな魔法みたいなことを可能にするのは、どうやらズーム機能がついたレンズが必要な予感。また、広い範囲の景色を上手に撮るためには、広角レンズと言われるものが必要になるようです。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「うーむむむ、なかなかいい写真が撮れないな」

困っていたところに、ふと見やると、鹿おどしのようなものがありました。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「お、これ撮ってみるか」

ガシャ

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f:id:ikopu:20171216151027j:plain「あれっ!!これ中々いい写真じゃない!?」

手前がめちゃくちゃボケてるというというアレはありますが、なんか雰囲気は一気に出ました。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「そうかこのカメラはこのくらいの中距離がいいのかもしれない」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「景色は諦めてアップで色々撮ってみよう」

ということで、それからは近くのものをカシャカシャと撮り始めました。

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f:id:ikopu:20180109232424j:plainf:id:ikopu:20180109232434j:plain

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f:id:ikopu:20171216151027j:plain「ふおおお中々良いのでは・・・」

ということで2時間くらいウロウロして。最後に立ち寄った休憩所で隣に座ったおじいさんが、店員さんに「どうですか?いい写真撮れてますか?」みたいな話をされているのを見て、(あっこれ次は俺に来るか、来たらこの写真に全てをかけて見せてみるしかない 大丈夫いける自分を信じるんだイコプ覚悟を決める時だ)と一番いい写真を表示するモード手前にして拳を握りしめてじっと座っていたら結局一度も話しかけられずホットケーキをモソモソと食べて帰りました。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「ただいま!めっちゃ写真撮ってきた!見てくれ!見てくれ!」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「おかえり!しょうがない見てあげようじゃない」

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f:id:ikopu:20171216151042j:plain「爆弾か何か落ちた瞬間?」

カメラ道は険しいが、楽しい

ということで写真ライフを満喫しています。

色々撮ってると、違うレンズも試してみたいし、三脚とかも欲しくなるし、それ以前になんかこう腕が圧倒的に足りない感じがします。しかも何を練習すればいいのかもわからない手探り状態。でも、カメラは撮った分だけ上手くなると聞いたので、とりあえずガシャガシャ撮っていきます!撮ってるだけで楽しいですからね!

イコプのカメラ道①カメラ購入編「NikonDfを買った」

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f:id:ikopu:20171216151027j:plain「うおおー!買うたでー!」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「やりよったー!」

カメラが欲しくなった

さて、新年1発目の記事は前回の記事にも書いた、カメラを買った話。

あれは遡ること2、3ヶ月前。

私はミイホンに誘われビッグカメラの店頭に行きました。

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「カメラが欲しいよね〜」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「急に藪から棒に突然どうしたの。うちには立派なカメラがあるじゃない」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「あるけど・・・最近調子悪いからね。充電も出来る時と出来ないときがあるんだよ」

我が家にはもともとミラーレスのデジタルカメラが一個あったのですが、年月を経て大分調子が悪くなってきていました。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「でもカメラのことは1ミリもわからないからねえ。ミイホンさんちょっと詳しいよね?」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「友達でカメラが好きな子がいるからね。F値とかね、ちょっとわかるよ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「F値。ファミリア値だね。特定のカメラに使い慣れてくるたびにそのカメラマンのF値が上がっていき一定のF値になるとそのカメラに対する熟練度がマックスになって新しいアビリティを覚え」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「全然違うよ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「まあとりあえず見てみますか」

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店はカメラと言えばビッグカメラ。

何せ店名にカメラを冠しているわけですから、カメラを売ることに関しては間違いないはずです。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「なんかカメラもいっぱいあるねえ。会社もニコンとかキャノンとか色々あるねえ・・・ただまあ、こういうのはねミイホンさん。いいカメラを見分けるにはコツがあるんだよ」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「聞こうじゃない」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「高いやつほど、いいカメラなんだよ」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「あんまり重いやつは使いにくそうだからな〜持ち運びやすくて、綺麗にとれる1眼レフがいいな〜」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「100パーセントのスルー」

2人で特によくわからないままに店頭をウロウロして、なんとなく触れるカメラを試し撮りしてカシャカシャしていたところ。



ー運命の出会いは

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ー音もなく、静かに

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ー日常という 薄靄の中を切り裂いた

f:id:ikopu:20180107213745j:plain<コンニチワ

ーそれは突然だったにもかかわらず

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ーまるでずっと前からそこに居たかのように

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ー鎮座していた 我々をまっすぐに見据えて

f:id:ikopu:20180107213745j:plain<ニコンDfデス

めちゃくちゃかっこいい

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「なにこのカメラめっちゃくちゃカッコイイじゃない」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「本当だよ!しかも軽い!オシャレな見た目なのに軽いし、この試し撮りのカシャって音もかっこいいよ!」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「もうこれしか無いんじゃない?」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「でも待ってこれなかなかのお値段がするよ。驚きの20ウン万円だって。しかも上級機って書いてあるよ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「まじかよ。カメラと言えばiPhoneが最強と思っている俺がいきなり買っていいものなのかなこれ」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「初心者ですら無いのにいきなり上級機を買うなんて・・・」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「ぐぬぬぬ確かにものには順序というものがあっていきなり分不相応なものを手にいれるのは良くないよね。しかしとはいえ、知識と経験の欠如は努力と気合で補えばいいしむしろ俺は初心者ながら溢れ出るセンスと才能で完全に使いこなせるような気がしてきたよしこれにしよう」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「もう完全に欲しくなってる目だよね・・・」

手に入れました

というくだりが2ヶ月くらい前にあって、しかし衝動買いは良く無いもう少しカメラに詳しい人にも聞いてみようとツイッターなどで「NikonDfどう?」みたいな感じで世界に呼びかけ、その道のプロっぽいフォロワーさんたちから「いいんじゃない」という暖かい励ましのお便りを得てついに購入を決定。

2017年大晦日の少し前、手に入れたのです。

購入する時、店員さんが「おっDfですか、いいですねえ〜わかってますね〜」みたいな感じで迫ってきたのですが、見た目の良さ以外一切Dfのことはわかっていなかったので「うん、そうですね、いいですよね、やっぱりこう、Dfらしさというか・・・うん・・・」と曖昧な笑顔でやりすごすことしかできませんでした。

でもまあ、店員さんもいいって言うんだからいいんだろう!やったー!と喜び勇んで帰ってきて、開封。

よくわからないままに、机に置いてあった置物をガシャリと撮ってみた初めての1枚がこちら!!

f:id:ikopu:20180107222207j:plain 【タイトル:小人】

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「オ、オァアアア!!!めちゃくちゃいい写真!!!」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「後ろのボケがいい感じじゃない!!」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「こんなんこのまま美術館のパンフレットとかに使えるクオリティだよ!!!」

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f:id:ikopu:20171216151042j:plain「このイベント自体はちょっとよく分からないけれど、写真としてはナカナカのものだね!」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「1枚目にしてこの写真が撮れるなんて・・・やばい!写真極めた気がする!」

写真家を目指して

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「ということで、私は写真家としてカメラ道に精進したいと思います」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「最初はむしろ私が欲しがってたカメラなのに、イコプの目の色が変わっているのが怖いよ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「ミイホンくん。写真はつまり、心なんだよ。ファインダーを通して世界を切り取ること、それはつまりカメラを撮る人間の心の断面を切り取るということなんだ・・・私はこのカメラを通じて、私にしか撮れない写真、つまり私自身を撮っていきたいと思ってい」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「とりあえず本とか買いに行こう。初心者向けのカメラの本とか見てみたいよね」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「えーそんなんめっちゃ欲しいやんー!行こうー!とりあえずガシャー!」

2作目 f:id:ikopu:20180107231517j:plain 【タイトル:ミイホンとアイホン」

そんな感じで、カメラの世界に入り込んだイコプとミイホン氏。

これからカメラの記事も載せていきますし、旅行記なんかもこのカメラでの写真をどんどん入れていきたいと思っています!

よしなにー!

あけましておめでとうございます。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「新年〜?」

f:id:ikopu:20171216151042j:plain「あーけましてぇ〜」

f:id:ikopu:20171216151027j:plainf:id:ikopu:20171216151042j:plain「おめでとうございますー!」

あけましておめでとうございます

さあそういうことで完全に2018年です。あけましておめでとうございます。あけたから、ただそれだけで純粋におめでたいのかい?じゃあ逆に聞くが人類が地球に跋扈してこの数千年、あけなかった年はあるのかい?という正月ムードに水を差すようなアイロニーは、たぶん「何事もなく無事平穏に2018年に突入できて」おめでたい、という暗黙のニュアンスによって塗り潰すことができるわけで、そういう意味では何事もなく2018年に突入できて良かったです本当に。北朝鮮とか色々ありましたから。

でも、そういう政治的地球的日本的なスケールの色々は置いておいて、私個人としては結構大きく生活が変わった2017年でした。転職に近いくらい仕事の内容が変わりまして、フラスコとかマウスとかを触り続ける仕事から、人間を相手にする仕事に戻りました。やっぱりどう考えても私は臨床向きの人間で、人を相手にしていないと私個人もダメになるようで、その点では良かったなあと思います。それに、以前よりはたぶん自由にできる時間もできました。

ということで、大きく変わった生活の中で、今年の目標は、仕事もプライベートも、色々!ありますが!ことブログという意味ではもう少し更新頻度を上げていきたいのが第一の目標ですね!

どうやら2016年はブログ更新が24回、2017年は16回だったようです。私は忙しくなると途端にブログを書かなくなってしまう(逆に暇になると毎日書き出す)ので、もう少しコンスタントに書き続けられるようにしたい。村上春樹もローギアでずっと自転車をこぐように書くことが大事、みたいなことを言っていましたので、そういうローギアで動けるようなブロガーになりたい。

ブロガー!ブロガーという言葉を自分に当てはめるのも物凄い違和感ですけど、まあ「一応ブロガーです」と一応をつけながら程度には臆面なくブロガーであれるような気合をもってブログを書いていきたいですね。医者であって、かつ、ブロガーです、みたいな。ブロガーの定義はよく知らないですけど、ブログ書いてる人みんなブロガーだとしたら、ブログ書いてる人、と自分で言える程度にはブログを書いていきたいわけです。何のこっちゃわからんかもしれませんがつまりそういう意気込みです。

ということで、2018年の目標を具体的に決めました!それは・・・

48回ブログを更新すること!

つまり、週1回程度は記事を書くこと、ですね。 できれば、コンスタンスに週1程度で書いていけたらいいですけれど、まあ波のある人間なので、欲張らずに合計で48回を目指したい。48回といえば2016年の2倍、2017年の3倍なのでこれでもハードルは高いと言えるでしょう。まあその数年前は年100くらい書いていたような気もしますが過去の自分を過信しないことが生きてく上で大事だぞって自分に言い聞かせました。

さて、それに伴ってですね。ブログのモチベーションを50倍くらいに跳ね上げる、強力なサポートアイテムを私は手に入れたわけです。

紹介しましょう、それが・・・こちら!!

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ドドーン!!!そう!

カクカクゴツゴツしたアナログ感あふれるフォルムを持ちながらもデジタルカメラとしての機能美も併せ持つ現代が生んだニコンの芸術!

Nikon Dfです!!

何それ、となる方が大半と思うのですが、つまりはまあデジタルカメラです。このカメラ、2013年くらいに発売されて、もう機能としては最新とは言えないアレなのですが、我々イコプミイホン夫婦が店頭で一目惚れしまして、もうこれしかないと購入したわけです。

ブログの話になりますが、ブログといえばまず第一に文章、そして次に来るのが写真やイラストじゃないでしょうか。そういう意味で、ブログに載せる写真はいわばネギトロ丼でいう米にあたる部分。文章というネギトロが最高級であっても、それを受け止めるだけの米がボソボソとしたお米では、ネギトロ丼としてそれは残念なものになってしまいます。しかしそこにこのNikonDfで撮影した写真があれば?その米はホクホクふわふわとして、一粒一粒がピンと立ち、湯気はもうもうと立ち上がる・・・そしてそこに訪れたネギトロの強烈な旨味を、全身で受け止め相乗する!ニヤリと笑うネギトロ!「お前、やるじゃないか」と!答える米!「あんただけには、いい顔をさせておけないからな」と!選ばれし者たちが躍動するその口内は、旨味と甘みの核融合!!味覚のビッグバンがファンファーレ!!もうこれは祭りの始まりだあ!わっしょい!わっしょい!!

さて取り乱しましたが、そういうわけで今年のブログはこのカメラを使ってパワーアップしたブログにしていきたいと思います。そうなれば心機一転ブログ名を変えてみるのはどうか?あ、それがいい、そうしようと名前も変えることにしました。今。よーし。じゃあと沈思黙考熟慮の末に30秒くらいで思いついたその名前は!

しばしばオフトン

わかります。わかりますよ。みなさんの「うん。しばしばオフトン・・・・うん・・・」という感じわかります画面越しに伝わってきますよ。その真顔な感じ伝わってきてますよ。でもね、説明させてください。この一見コメントしづらいこのタイトル、実は深い意味が隠されてまして。それを聞けば真顔だったみなさんがもう「ああ!しばしば!オフトン!!!しばしば!オフトン!!!!」と5回くらい首を縦に振りぐっと親指を立て満面の笑みになること間違いなしですからー!あのですねー!

しばしば、って英語でいうとOftenて言うじゃないですか。Oftenってなんかオフトンって読めるじゃないですか。で、私オフトン大好きなんで、しばしばオフトンで昼寝とかするわけですよ。ということは?しばしば、Often、オフトンに入る、それが融合して絶妙に混ざり合いそこに生まれいでたのは・・・しばしばオフトン!あ!!言葉の核融合!アトミックボム!!奇跡の名前を手に入れたこのブログはもうとにかくビッグバンだー!!祭りだ祭りだー!!

わっしょい!わっしょい!

さあみなさんご一緒に!

わっしょい!わっしょい!

それでは今年もしばしばオフトンをどうぞよろしくお願い申し上げます。

イコプでした。

おじいさんと機関銃

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病棟に、とある90代半ばのおじいさんが入院しています。

スミタニ(仮)さんという方です。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「やあスミさん。調子はどうですか?」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「あいたた・・・相変わらず腰が痛いなあ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「スミさんは肺炎と一緒に、腰の骨も折れてしまっていますから・・・しばらくは入院でお付き合い頂くことになりそうですよ」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「そうかあ。まあ、ワシももう90超えてな。延命治療なんて望まないから、先生の力で楽に逝かせてくれたらありがたいんだけどなあ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「やいやいやい、そんなわけにはいきませんよスミさん。また病気治して元気になってもらうために、我々頑張ってますからね!さあご飯を食べて!」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「アイタタタ、えらいことする先生だなあ。でもな、わしはもう母ちゃん(奥さんのこと)も逝ってしまって、子供もおらん。もう、わしはいつ行ってもいいんだよ」

スミタニさんは90を超えたご高齢ながら、認知症もまったく無く、数年前に奥さんを亡くされてから1人暮らしで立派に生活してきた方でした。

そんなある日、だんだん腰が痛くなって歩けなくなってしまい、親戚の方に連れられて救急外来に受診されたのです。

診断は腰の骨の骨折と、肺炎。

そのまま治療のために入院されました。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「しかし、こんな痛いのに、よく病院まで来れましたね。救急車とか、呼ばなかったのですか?」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「いや、救急車には断られてしまったんじゃよ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「えっ?」

1日掛かりの受診

もともとスミさんは病院が嫌いだそうです。

昔はなぜか血を吐いてしまった時ですら病院にかからず自力で治したくらいだそう。

当然、奥さんに先立たれて一人暮らしになってからも、病院には無縁で生活していたスミさん。

しかし、ある日突然の腰痛が発症。

それでも何とかやっていたけれど、ついにどうにも動けなくなって、病院に受診しようと思ったそうです。

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「手帳に○○(ご親戚)の番号が書いてあったからの、病院に連れて行ってもらおうと思って、電話をかけようと思っての」

スミさんの家の電話はなぜか固定電話が使えなかったらしく、スミさんは携帯電話を使おうとひさしぶりに携帯電話を取り出してきました。

しかし当然ですが、電池切れ。

しかも、充電器がなかなか見つからず、痛む腰で必死で探し回ったそうです。何とか充電機を見つけ出し、いざ電話をしようとしますが。

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「最近の携帯電話は難しくての・・・番号を何回打っても、なかなか電話ができなくてな。半日ぐらいずーっと携帯電話と格闘しとったわワッハッハ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「半日も!」

半日の格闘の末、親戚を呼ぶことに成功したスミさん。

家に来た親戚は、ほとんど動けなくなってしまっているスミさんを見て、救急車を呼んだそうです。しかし・・・。

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「一回は、救急車の中にまで入ったんじゃけどな。腰痛だけでは、救急車は使えないって、降ろされてしまって・・・結局、その後○○の車でここまで連れてきてもらったんじゃよ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「そんなことが・・・それで夜に受診になっちゃったんですね」

詳しい状況はわかりませんし、救急車のコンビニ利用が問題になって、医療機関も救急隊も疲弊が進む中、これが是か非かは論ずることはしません。ただ、腰が痛くて動けないスミさんが、救急車の中で怒られて、降ろされてしまう様子を想像したら、なんともやりきれない気持ちになりました。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「スミさん大変な思いさせちゃって申し訳なかったよ」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「ワッハッハいいんじゃよ今の医療もいろいろ大変じゃろうから」

ある日の回診で

そんなスミさん、90半ばという御年ながら、驚くほどしっかりされていました。

90を超える年齢になると、どうしても、だれでも、幾ばくかの認知症であったり、難聴であったりで、意思疎通をすることが難しくなります。

そんな中、スミさんはまったく認知症もなく、普通に会話ができる方でした。

そんなある日、私はスミさんの話を長く聴かせてもらうことがありました。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「やあこんにちはスミさん。調子はどうかな?」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「やあ。先生、もうこの点滴も抜いてくれんかの、わしはもうあの世に行ってもいいんじゃよ」

と、スミさんはどこまで本気かわからないような様子で、ニヤっと笑って、でも何となく寂しそうに言うのでした。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「そう言われても私は医者ですから、治すことしかできないんですよ!ごめんなさいね!」

と内心ドキドキしながら、いつものように話をしていたのですが。

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「こんな寝たきりになって皆様に迷惑かけるくらいなら、戦争中に、コロっと逝っておけばよかったのう」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「あっそうか。スミさんは戦争に行ってたんですね」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「そうじゃよ。まあ、兵隊になって、すぐに負けてしまったけどなあ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「そうかあ・・・」

1945年の終戦の時代を経験している方は、今はもう大分減ってきていて、しかも兵隊として参加した方はもう90を超えている方ばかりでしょう。

私を含めて、教科書とか、新聞とか、そういうものでしか戦争を知らない人がほとんどになってしまった現代で、まったく普通に、当時のことを教えてくれる方って、実はもうほとんどいないんじゃないか。そう思うと、私は何だかスミさんの話をすごく聞きたくなったのです。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「スミさん、よかったら戦争の時の話聴かせてよ」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「戦争かあ」

そうしてスミさんは語り出してくれました。

スミさんと韓国人

f:id:ikopu:20171225141025j:plain若かりしスミさん

時は戦争の終盤のころ。

長引いた戦争のお陰で、多くの若者が兵役に出てしまい、日本は若い男たちの数が減っていたそうです。

そのため、大砲などの兵器をつくるための重労働を行う人材が不足していました。

スミさんは、当時まだ成人前で、その工場で働いていたそうです。

そして、いよいよ自分も兵役につく、という話になったわけですが、スミさんがいなくなったら工場が動かなくなってしまう。そのため、引き継ぎのための人材を教育してから、兵役につくことになったそうです。

f:id:ikopu:20171225141025j:plain「やあ、お前たちが俺の後の仕事を引き継いでくれる2人か。よろしく頼むぞ」

f:id:ikopu:20171225150628j:plain「アニョハセヨ」

f:id:ikopu:20171225141025j:plain「えっ」



f:id:ikopu:20171225141010j:plain「そらぁびっくりしたぞ。なにせ日本語が通じなかったんじゃから」

当時日本では、国内の産業を支えるために韓国の方を国内に連れてきて、労働力として利用しようとしていたそうです。

スミさんの後釜となる2人も、2人とも韓国人でした。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「そりゃあ困ったでしょう・・・日本語も通じないでしょうし」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「いや、でもそれがな。あいつら頭が良くてなあ。すぐに日本語ペラペラになっておったわ。よく笑う、いいやつらじゃったよ。でも、そのころのそういうのが、今の韓国との問題になってるんじゃろうなあ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「そうですね・・・」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「でもあの頃は仲良くやっておったんじゃよ。もちろん、韓国人がどう思ってたか本当のところはわからんがなあ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「きっと、無理やり連れてこられたわけですからね。でも、それなりにも笑って仲良くやれてたってのいうは、何だか救われる気がするよ」

スミさんとごはん

そして、無事後釜の教育を終えたスミさんは、無事兵隊に入隊しました。

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「入隊した日はよーく覚えとる。おっかあが、久しぶりに米のご飯をだしてくれたんじゃ」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「当時はもうあんまり米も食えんかったんじゃけど、おっかあが仏壇に米を隠しとったんじゃな。それを出してくれて、食べたんじゃけど、なにせ仏壇に隠してた米だから、線香の味がしてのう」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「うまい、うまいけど線香の味がするぞ、おっかあ、と大笑いしながら食べたんじゃよ。あの味は忘れられないのお」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「・・・」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「まあ、今の病院のおかゆのほうが何倍もうまいけどなあ!わっはっは」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「まあそれで、おっかあたちに見送られて、機関車にのって兵隊の基地に行ったわけじゃ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「そのシーン想像するだけでなんか泣きそう」

軽機関銃とスミさん

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「で、部隊に配属されたんじゃけどな。わしは軽機関銃を使う部隊に配属されたんじゃ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「へー銃かあ。そりゃそうだけども、やっぱり戦争ですね・・・」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「そう、だから街中を銃を持って歩いているとな、市民が言ってくれるんじゃよ。『兵隊さんがいてくれれば、街も安心だ』なんてな。でもな、実はなーんも安心じゃなかったんじゃよ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「どういうこと?」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「当時な、もう日本に銃の弾なんて無くてな、軽機関銃は持っちょるけども、弾は一発も持たされてなかったんじゃ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「そ、そうなのか・・・」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「だから見た目だけは立派な格好じゃけどな、なーんもやれることなんてありゃせん。しかもな、もう当時は空襲だーなんて、アメリカは飛行機でバババババ!っと打ってくるんじゃ」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「そんなところで、軽機関銃もって、空に向かってバン!なんて。何になるかってな。ワッハッハ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「・・・でも、市民からしたらスミさんが頼もしく見えてたんだろうなあ」

肉爆弾とスミさん

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「まあ、そんな状況じゃから、訓練もまともなもんじゃなかった」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「どんな訓練だったの?」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「例えばなあ、10kgぐらいある爆弾をな。こう、お腹に抱えて移動する練習じゃ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「えっ素手で?それはどういう練習?」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「こういう爆弾を抱えてな、相手の戦車の下に潜り込むんじゃ。もちろん動いてる戦車になんか無理じゃよ 。相手の基地とかな、相手の止まっている戦車の下に潜り込むんじゃ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「そ・・・それは、特攻っていう・・・」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「特攻・・・というか、いわゆる肉爆弾ってやつじゃな」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「肉番弾・・・」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「あの頃は死ぬ気で戦っておったからな。実際、アメリカの基地まで爆弾もって近づいていったこともある」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「えっ本当に!?」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「でもな、実際あいつらの陣地も、もちろん鉄条網で囲われてるし、その中に電気も流れてる。簡単には入ることができんのじゃ。しかも、基地のそばには軍用犬がいっぱいいてな」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「あいつら、少しでも音がすると、ものすごい勢いでやってきて、吠えるんじゃよ。それはもうすごい顔してな・・・あれは怖かったぞおワッハッハ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「凄まじいことだなあ・・・」

20歳やそこらの青年が、重たい爆弾を抱えて基地に向かう。

スミさんはどんな気持ちで向かっていったんだろう。

笑って話すスミさんの気持ちは正直よくわからなかったけれど、現実にそれを経験してきた人が目の前にいると思うと、なんだか身が引き締まる思いでした。

スミさんと終戦

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「そんなこんなでな、まあ、負けるとおもっておったよ。毎日のように本土に飛行機が飛んできとるわけじゃから。そんな攻め込まれてて勝てるわけがありゃせん。そんである日、天皇陛下からのラジオ放送があるって話がきた」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「ああ、あの有名な」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「それで、軍のみんなが一つの部屋に集まって放送を聞くことになったんじゃけど、その部屋が暑いところでな。わしは、こっそり抜けて、外で涼んでおったんじゃ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「ええっそんな?そんなの許されるもんなの!?」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「ふぁっふぁバレなきゃいいんじゃよ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「そ、そういうものなのか・・・兵隊の雰囲気がわからないけど、意外とそんな感じなのか、それともスミさんが豪の者だったのか」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「それでな、放送が流れ始めてな。まあ、外でも少し聞こえてきたんじゃけどな。当時のラジオなんてひどいもんでな。ピーとかガーとかばっかり言ってて、結局天皇が何を言ってるかなんてわかりゃせんかった」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「で、放送が終わったころに戻って、こっそり仲間に聞いたんじゃな。なんて言ってたんだって」

f:id:ikopu:20171225141037j:plain「何て言ってた?」

f:id:ikopu:20171225141037j:plain「わからん。でも、戦争が終わったってことだけはわかった」

f:id:ikopu:20171225141037j:plain「えっそうなの?」



f:id:ikopu:20171216151027j:plain「そういう感じだったんだ・・・。スミさん歴史的一瞬をサボって聞き逃してたってなんかすごいね逆に・・・。で、どうだったの、そのとき。スミさんの気持ちは」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「まあ、負けたんじゃなって思ったよ。でも、現実感はなかったな。他のみんなも、そうじゃったと思う」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「急に戦争が終わったって言われても、みんなどうしていいかわからなくてな。その日は結局そのまま、予定の暗号解読の訓練を始めようってことになってな」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「えっ戦争が終わったのに?」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「他にやることもないというか、何をしていいかわからないからの・・・。でも、そうして暗号解読の訓練をしていた最中に、上等兵の声が聞こえてきてな。『戦争が終わったのにこんなことして何になる!』って狂ったみたいに叫んでたんじゃ。その時に、ああ戦争が終わったのかなと思ったよ」

スミさんの経過

そんな話をしていると、病棟に昼ごはんが運ばれてきていました。

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「やあ長々と話を聴かせてもらっちゃっいましたね・・・ご飯が冷めちゃいますね、食べますかスミさん」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「おうおういただこう。アンタもご飯食べてないだろう、食っておいで」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「そうですね、食べてきます。うおおおめっちゃ足しびれた」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「ふぉふぉふぉ」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「スミさん、思うんですけど、こういう話を生で聞けるのってすごい貴重なんで、また色々教えてください」

f:id:ikopu:20171225141010j:plain「ほうかほうか。いつでもおいでや」

f:id:ikopu:20171216151027j:plain「まあ主治医なんでもちろん来るんですけどね!」

スミさんはそういうと手をあげ、「そんじゃ」みたいな感じでご飯を食べ始めました。

天涯孤独なスミさんの話は、それを伝える相手がいないと、このままいつか天国に持って行ってしまうことになってしまう。そう思ったら、ブログに書いておきたいと思って、今日こんなふうに残しておきました(スミさんの許可も得ました)。

戦争を体験したことがない我々が、戦争の経験がある方から話を聞ける時間はもう少ししか残されていないのかもしれません。この年末、帰省がてら、もしご家族にそういう話を聞ける方がいるのなら、話を聞いてみてはどうでしょうか。

なおご本人のプライバシーのため、病状、名前や入院時期などは一部改変していますが。スミさんの経過は良好です!