「鬼みたいに暑いね」
「もう寝室で寝るのは限界だよ」
ということで、夏が真っ盛りになってきました。 最近、引っ越しをした私たち。 寝室にエアコンが付いていないことには気づいていましたが、見ないふりをしていました。いえ、実際は「クーラー買わなきゃねー」「ねー」と言いながら何となく扇風機で気持ち良く寝ていました。
そんな中、ついに梅雨が明けて。 扇風機から送られてくるのがもはや熱風のようになってきてしまったので、ついに観念してエアコンを買うことになったのです。
「買いに行くとはいっても、週末くらいになっちゃうから、とりあえずリビングに布団しいてねましょう」
「だね」
うちのリビングは引っ越した時からエアコンがついていたので、そこに布団を敷いて急場をしのぐことにしました。
(やあリビングのエアコンだよ)
「今晩はよろしくお願いします」
「これで暫くは気持ち良く寝られるね。できればベッドで寝たいけどね」
「早く寝室にエアコン買おうね。ではリビングエアコンスイッチオン」
ヒュオオー
「涼しい・・・おやすみなさい・・・」
ヒュオッ
スヤスヤ
ヒュォゴっ ィリンリンリン!リンリンリン!!
スヤ・・・?
リンリンリンリンリン!!!リンリンリンリンンリンリン!!
「何事!?!!」
「なんの音?」
「どうやらこのエアコンから音が鳴っているようだ・・」
「暫くしたら静かになったけど・・・これは困るね」
「これはこれで修理とかするとして、やはり寝室のエアコンが急務だよミイホンさん」
「背に腹は変えられないね」
電気屋さんに行く
「さあついにやってきました大都会の大きな電気屋」
「いらっしゃいませー!お客さんエアコンお探しですか?」
「あっはい!エアコン探してます!暑くて!」
「どんなエアコンをご希望ですか?」
「いやもう一切エアコンに対する知識がないのでアレなんですけど、とにかく部屋がこのくらいの大きさの寝室なんです」
「なるほどそれでしたらこれがオススメですね」
「それにします」
「ありがとうございます!」
「決まったね」
「勧められるままに決めてしまったけれど、まあ冷えればいいよね」
「ところでお客様の地域ですと、工事の日にちが最短でこの日くらいになりそうです」
「えっ!今日から2週間くらいかかる感じですか」
「・・・!」
「あのリンリンもしくは熱風に2週間・・・」
「ええ・・・今はどうしても混んでいる時期でして・・・」
「まあ、しょうがないね・・・2週間耐えたらスーパー快適な睡眠が約束されるわけだし、それまでなんとか耐え忍ぼうじゃないかミイホンさん」
「そうだね・・・楽しみに待とうじゃない!」
2週間後
「ただいま!!仕事を早退してきたよ!!!」
「おかえりー!!!寝室から廊下まで掃除機全部かけてピッカピカにしました!!!汗だくになっちゃったよ!」
「ついに・・・ついにここにエアコンがつくんだね・・・!」
「嬉しくてニヤニヤしちゃうねえ」
そう、ついにエアコンの設置がされる日が来たのです。
リビングで寝るのはリンリンもさることながら、布団がやっぱり硬いので何となく寝苦しく、早くベッドに戻りたいなあと思っていました。2週間「もうすぐエアコン」を合言葉に夏を乗り切った私たちのもとに、ついにエアコンが来ます!!
ピンポーン「こんにちはーエアコンとりつけにきましたー」
「はーい!!!どうぞー!」
「どうもおじゃまします。えっと、こちらのお部屋ですね・・・あっ」
「?」
「あ・・・あの、お客様のこの配置ですと・・・これはスリムタイプのエアコンしかつけられないですね・・・」
「えっ?」
「この配管の位置などからどうしても・・・」
「私たちが買ったこのエアコンは・・・」
「無理・・・ですね・・・絶対に無理ですね・・・」
「そ・・・・んな・・・・」
電気屋さんに行く
「へいらっしゃい」
「あの・・・前買ったエアコン・・・取り付けられませんでした・・・家の構造的に・・・キャンセルの連絡したんですけど・・・」
「あー!申し訳ありませんでした、こちらも確認不足で!がっはっは!お客様のところ、これなら装着可能ですよ、このスリムタイプのやつ」
「おお、これなら付くんですか。もともとそれほどコダワリもないので、それでお願いします!!!」
「かしこまりました!!」
「よかった・・・これでベッドで寝られるね!」
「よかったよ本当にこれで何となく背中が痛い気がしてリンリンうるさい就眠からもおさらばだよ!!」
「嬉しくて涙が出そう」
「それでは設置の日なんですが・・・あの・・・混んでまして・・・」
「えっまさか?」
「・・・」
「3週間後くらいですね」
「ブクブクブクブク」
ということで我が家はしばらくリビングの煎餅布団生活ですので、睡眠不足で背中が痛い二人です。万一ベッドの上で熱中症で倒れていた夫婦のニュースが流れたら、挑んだんだな、イコプ夫婦・・・と天に祈りを捧げて下さい。