(通勤中)
「ぶーん」
「・・・」
「・・・zzz」
キキー!!
「ハギャーー!!!!」
引っ越しをしよう
「ということで居眠り運転で唐突に命を落とすところだったよ」
「ちょっとちょっと」
「窓を開けたり大声で歌ってみたりしてるんだけどね・・・」
「通勤時間長いもんね・・・こうなったらいよいよ引っ越しするかね」
「えっいいの?俺が近くなるとミイホンさん職場からだいぶ遠くなるよ」
「うんいいよ大丈夫」
「妻・・・!メシアよ・・・!」
業者を選ぼう!
数日後
「ということで新しい家の目星はついたので引っ越し業者を選択しましょう」
「ちょうどいいところにちょうどいい感じの物件がスポーンしたからよかったねえ」
「でも引っ越し業者はしっかり選ばないとね。前回の引っ越しのときはピアノが傷だらけになったり色々あったからね」
「そうだね業者によって値段もだいぶ違うみたいだし・・・我の最強の値切り術の見せ所だね」
「そういうの上手だっけ?」
「まあ正直に言えばめちゃくちゃ苦手だよ」
「・・・」
見積もり 業者1件目
引っ越しの時は、まず業者に引っ越し前に家に来ていただき、どのくらいの値段になるかの見積もりをしてもらいます。
「いよいよ1件目だよ。何て言われるかね」
「前よりだいぶ荷物増えてるから、高くなっちゃうかなー」
「俺が極限まで安く値切るからまあそこはまかせておいてよ」
ピンポン
「こんにちは」
「初めましてどうも業者Aです」
「どうもどうも!今日はよろしくお願いします」
「ではさっそく見積もりさせていただきますね」
キョロキョロ・・・
「(もっと掃除しとけばよかったかね)」
「(こんなもんでしょー)」
「はい、そうですね、なかなか荷物が多いですので、トラックは2台必要そうですね・・・」
「あっそうなんですね」
「ですので見積もりはこうです」
「どれどれ」
¥300000
「!!!!」
「(30万円?)」
「(えっそんなするもの?どういうこと?前そんなかかったっけ?)」
「いかがでしょう」
「(イコプ?)」
「アノ」
「マダホカノ業者ニモ見積モリオネガイシテルノデ」
「ソレガオワッタラゴ相談シマス」
「(あれ?値切りは?)」
「承知しました、では我が社をお選びいただけるときはまたご連絡ください」
「それでは!」
「ありがとうございましたー」
「オツ」
見積もり 業者2件目
「やあ今日こそね、うん。ちゃんと交渉とかね、うん」
「前完全に固まってたからね・・・私、話そうか?大丈夫?」
「おおーい!ミイホンさん任せてよ前回はちょっと不意をつかれたからね、だいたい相場がそのくらいと分かっていればこちらも言いようがあるってものよ」
「ふーん」
ピンポン
「どうも!業者Bです!」
「よろしくお願いします!!こちらが家です!」
「前よりなんかオラオラ系な方が来たね!!」
「ふむふむ・・・なるほど!!!わかりました!」
「おっ出ましたか・・・よし来い!」
「見積もりはこちらです!」
¥89800
「・・・・どうですか?」
「エ、エット」
「お、おどろいたね」
「前の業者の方のほうがお安かったですか?」
「や、いや、そのむしろすごくこっちのほうが安くて、ねえ!」
「うんうん!すごいですね!」
「・・・あっ」
「違いましたね、これに、トラックのアレのお金が追加されて・・・」
¥129800
「あーそうなんですね」
「いや、それでもすごい違いますねえ!」
「・・・あっそうですね、そうかそうかまだアレが抜けてました」
「えっ」
¥169800
「いやーすみません、この時期はこうなりますね」
「あー。ですねよえ。でもまあ、それでもね」
「うん・・・」
「どうですか、決めていただけますか?」
「うーんどうする?」
「一応この後にもう一軒ご相談する予定なので・・・それが終わったらご連絡でもいいですか?」
「あ、そうですか・・・そうしたら、次の業者さんはどちらなんですか?」
「えっ業者Cさんですが?」
「あーあそこですか。そしたらスタッフは3人になりますね・・・うちは4人でやることになるので、うちのほうがだいぶ早くやれますよ」
「はあ」
「あと、たぶんうちがいくらだったかとか聞いてきますけど・・・うちより安い値段を提示されても、そこで即決しないでくださいね」
「というと?」
「その値段より安くご相談できるかもしれませんから。終わったら連絡ください」
「はあ・・・」
見積り 業者3件目
「だいぶ値段ちがったねえ」
「うーん・・・でもさ、さっきの方、我々のリアクションみてどんどん値段上げていかなかった?」
「えっそうなの?」
「なーんか怪しかったんだよねえあの感じ・・・。しかも次に来るやつより安くしますよーみたいなこと言ってたけど・・・それなら今もっと安くできるってことだし・・・なんか信頼おけない感じだったなあ」
「ふーん私はそんなものかと思ったけどね」
「とりあえず最後の業者の話を聞いてみよう」
ピンポン
「どうも!業者Cです!」
「よろしくたのみます!」
「じろじろ」
「慣れたね家を見られるのも」
「出すお菓子これでいい?」
「でました!これでいかがでしょう!」
¥159000
「ふむ!」
「うちが最後なんですね。どうですか」
「(一番安いね)」
「14万くらいでどうですか」
「承知しました!それでいきましょう!」
「わー早い!それでいこう!」
「我が社におまかせください!」
「よろしくお願いします!」
決定
「いやーなんか爽やかな人でよかったじゃない」
「やっぱり前よりは高くなっちゃったね」
「まあ引っ越し業者も繁忙期だからね・・・正直もっと安くもできたような気がするけど、最後の人いい人そうだったから良しとしようじゃない」
「まあ雰囲気がいいところがいいよねやっぱり」
♫♫♫♫♫♫
「おっ電話だ」
「はいもしもし」
「あっイコプさん?どうでした?いくらでした?」
「あっごめんなさい、Bさん。Cさんでお願いすることにしました」
「えっ・・・・ちょっと、その場で決めないでくださいって言ったじゃないですか!!いくら?!いくらって言ってきたんですか?!」
「えっなにこれめっちゃ怒り出した。14万円になりましたけど・・・」
「わかりました、うちはそれならそれより1万円安くします!!」
「はあ、いやでももう契約したんですみません」
「そんなの今からでも破棄できますから!あなた少しでも安くしたいんでしょう?」
「イラッ」
「それならその場で言ってください。しかも契約しなかったからそんな言い方で怒り始める業者はそもそも信頼できません」
「・・・」
「ではさようなら」
ピッ
「・・・どうしたの珍しく怒ってる感じ?」
「なんかめっちゃ雰囲気悪い人だったBの人!」
「そっか・・・良かったねそこにしなくて・・・」
「まあ向こうも大変なのかもしれないけどね・・・見積りに来るのだって大変だろうからねえ・・・でもねえ・・・」
引っ越し当日
「いよいよだね」
「住み慣れたここともお別れかあ」
「チョワー!今日はよろしくお願いします!」
「よろしくどうぞー!」
「オッシャー!!」
そして引っ越しました
業者さんたちはハキハキしてすごく雰囲気のいい方たちでした。
問題なく荷物も詰めて、いよいよ旅立ちの時。
「なんもなくなったね・・・」
「ね・・・」
数年間を過ごした場所。
仕事的には苦しい数年だったけれど、毎日ここに帰ってくる瞬間の喜びがあったから乗り切れた数年でした。
「新しい場所でもよろしくお願いしますよミイホンさん」
「こちらこそだよイコプさん」
数年間ありがとう我が家!
大変お世話になりました!
なお新しいところはまだダンボールの山なので写真は載せられません。しばらくは掃除整頓の日々。