これまでのあらすじ
「ハワイ最高」
「最高」
乗馬する
「おはようございます。ついに観光最終日ですね」
「旅が終わってしまうなんて信じられないね」
「もう一度ハワイに来た日に戻りたい」
ということで、観光最終日となります。
悲しみにくれる二人ですが、最後のメインイベントを残していました。
そう、それは!
【乗馬】
「いやー楽しみだねえ。おうまさんだよ」
「ワクワクするねえ」
「俺、馬とか生で見るの初めてだよ多分」
「私にはイコプを乗せた馬がパカラッパカラッとどこかに行ってしまう未来が見えるよ」
「それは怖い」
乗馬ツアーは現地スタッフの人がバスで迎えに来てくれることになっていたので、それまでホテルでゴロゴロして過ごしました。
ホテルの中庭みたいなところでフラダンスの講習会みたいなことをしていて楽しそうでした。
「ミイホンさん参加してきたら?」
「私は結構上手な自信があるよ」
そういえばこの旅でフラダンスみたのここだけでした。ハワイといえばなんとなく、歩く道の端々でフラダンスを踊っている人がいるようなイメージがありましたが、全然そんなことありませんでした。まあ日本人もそこらじゅうで阿波踊りとか踊ってませんもんね。
午後になる
「はーいお待たせしましたー!イコプさんとミイホンさんですね!」
「やったーまた日本人だーよろしくお願いします」
「この後もう一つのホテルで二人ピックアップして馬のところに向かいますからねー」
その二人とは、我らが友人夫婦のことです。この日も一緒に行くことになってたのですね。新婚旅行に超参加していくタイプの我々。
ー友人夫婦のホテルについて。
「おはよー」
「おはよーどう元気?」
「実はまだちょっと調子悪そうやねん」
「何ー復活しなかったかー!」
「大丈夫だよー。でも、ホテルの薬局に薬が売ってるって聞いたから、一緒に見にきてー」
「それは大変!すぐ行こう」
ツアーの添乗員さんにも事情を説明し、少し待ってもらってホテルの中の薬局へ。
「ハロー店員さん!お薬!お薬さがしてまーす!」
「おー薬ー?あるよー」
「おお!(嬉しそう)」
「わあよかった」
基本英語で話すことは可能な限り避けるタイプのイコプさんですが、友のピンチとなればそんなことは言っていられません。ぐいぐい攻め込んでいきます。
「抗生物質的なやつが欲しいのですが・・・」
「おー・・?こうせい・・・ぶっしつ・・?それなら、これかなー」
「おお!これは素晴らしい歯磨き粉!そしてこれは虫さされにも効きそうな塗り薬ですね!違う!飲み薬プリーズ!」
「おー飲むタイプねー。それはここにはこれしかナイヨー」
「おおーまさにこれがタブレットタイプの!そうまさしくこれが花粉症の薬ですね!違う!うーん・・・抗生物質的なのは無いかー」
「そっかーないかーでも大丈夫だよー」
「おお・・・(悲しそう)」
その後、近くの薬局にも寄ってもらったのですが、いい薬は見つからず。本人は「大丈夫ー大丈夫ーえへえへ」と元気を装ってくれたのか元気そうだったので、じゃあいっか!とそのまま元気よくツアーに行くことになりました。
「まあ大丈夫馬にのれば元気になるよ」
「だねー」
「無理したらダメだよ」
「うーん(一番不安そう)」
後述しますが彼女は実際馬に乗ってるとき超テンション高くなっていたので元気になっていたと思います。
パンを食べる
乗馬の場所までは、しばしのドライブでした。
途中、トイレ休憩も兼ねて、揚げパンみたいなものが有名なお店に入ります。
揚げたてのパンに砂糖をまぶしたような奴です。
ガイドさんはここでスパムむすびを食べていましたので、ちょっと心奪われそうになりましたが、心を鬼にして名物のパンを食べました。ふかふかで美味かったです。
しばしドライブを続けて、車をチェンジ。
馬がいる渓谷には、4WDの車ではないと入れないとのことでした。ここで他の乗馬ツアー体験の方とも合流。合計八人になりました。
4WDでズイズイと山の中へ。
車で川の中にそのまま入っていくなど、ワイルドな道のりでした。
車の中で、ツアーの方から説明が入ります。
「馬のところに着いたら、乗り方の説明を現地の人がしてくれますが、英語なので、先に私からも説明しておきますね」
「こ、これは聞き逃すわけにはいかない!これを聞き逃したら暴れ馬とともに山に消えていくことになってしまう」
「まずアブミをこう・・・馬をまっすぐ進ませるには・・・ここで注意するのは・・あーだこーだ・・・」
「・・・・」
「あーだこーだで・・・ここを間違えると馬が怒ってしまうので・・・あーだこーだ・・・ということです」
「・・・わかった?」
「・・・たぶん」
「俺聞いたそばから8割忘れた気がするんだけど」
「でもまあ、大丈夫ですよー!大抵自動運転みたいに勝手に馬動いてくれますからねーハハハ」
「ほんとかな・・」
そして、森の奥深く。馬小屋らしい建物のところで、車をおりました。
「ついに馬が出てくるかな」
「あっ!!出てきたよ!おうまさんたちが!」
現地スタッフに連れられて、ぞろぞろと出てくる馬たち。
「でかい想像以上にでかい!」
「優しい目をしているねえ」
「えーそれではこれから馬に順番に乗ってもらいますが・・・誰から乗ってもらおうかな」
(あっこれ目を合わせたらいかんやつだ一番最初とか一番プレッシャーかかるやつだ絶対目を合わせたらいけない)
「そこのユーどうぞ」
「リアリー?!!」
「ぷーくすくす」
ということで馬に乗ります。 まじかで立つとやっぱりデカくて結構怖い。
「・・・」
「あ、どうもどうも・・・すみません今日はちょっとお背中をお借りしたく存じまして・・」
「はい、じゃあここの切り株を利用して、足をかけて乗ってクダサーイ。そうそう、そうやってね」
「南無三!おっしゃー!乗れた!」
「・・・」
乗ってみると、意外と快適でした。
ガイドさんが言っていた色々なことをしなくても、馬はのんびりと動き、おとなしくその辺の草をハムハム食べていました。
「ハムハム」
「こいつ、俺が乗っていることなど意にも介さない様子・・。そうか、つまりそれが信頼の証なのか・・・今日はよろしく頼むぜ、相棒、ブラックマウンテンよ」
振り返ると、友人たちも馬に乗り終わっていました。
「わー!ひょー!」
「どこいくのーわー!」
「おっおっ!おっええな!そうな!ええな!」
馬
「みんな乗りましたね、じゃあツアーに出発しますよ」
ツアーの人も馬にのって、先頭を歩き出すと、それまでテンデバラバラに草を食べていた馬たちが、一斉に列をなして歩き始めました。
「いやーこれは楽しい!のんびりフワフワと馬の上で山を歩く!最高じゃないかね!」
途中川の中も歩いていきます。
「・・・」
「おーよしよし愛馬 ブラックマウンテンよその調子だ。んっどうした?」
「・・・」
それまで順調に進んでいた愛馬ブラックマウンテンが、突然立ち止まりました。結局乗馬の方法はまったくおぼえていなかったので、止める指示を出したわけでもなかったのですが、突然の停止。
「あれっどうしたのかな?ブラックマウンテン?」
「・・・!」
「えっなになにどうしたの何この突然の緊張感。なんか表情も変わってない?」
「・・・!!」
ぼふぼふぼふっ
「わあ!」
「♫」
ブラックマウンテンのトイレタイムでした。
楽しい
全部で1時間くらいでしょうか。
ハワイの大自然の中を、テクテクホンホンと乗馬を楽しみます。
馬はおとなしいもので、ただひたすらに私たちを乗せてテクテクと歩いてくれます。
慣れてくると、やり方もわかってきて、少し馬を止めたり、歩かせたりできるようになり、余計に楽しくなりました。
「指示が通るようになると、また楽しいなあ。馬と仲間になったみたいな感覚だ。んっなんだ」
「ヒヒィーン!ブルルルル!」
「おおおおお!」
突然、背後から馬のイナナキ声が聞こえたと思ったら、友人を乗せた馬がものすごい勢いで駆け抜けていきました。
「うおおおすごい!暴れん坊将軍みたいだ!そこまで馬を自在にあやつれるようになるなんてすごい!」
「おおおおおああああああ・・・」
走り去っていく友人。ガイドさんの悲鳴。
「へいストーップ!ストーップ!ヘイ!」
「ブルルンブルルンっ」
「へいコームダウン、へいへいドウドウ」
「ブフー」
「・・・もしかして 勝手に走り出したのかな?」
「死ぬかと思ったで」
時々暴走することもあるみたいです。
さすが生き物ですね。
帰る
さて渓谷を一周して、楽しかった乗馬も終わり、ブラックマウンテンともお別れ。
「ぶふー」
「今日はありがとうブラックマウンテン」
馬から降りると、馬は静かに馬小屋に戻って行きました。優しい目をしていました。
帰りに、何らかの木の実の食べ放題てきなサービスを受け、ホテルへ帰りました。すごい楽しかったし、何よりなんか癒されました。とにかく馬は優しいを目をしていました。
ハワイ最後の夜
ザザー・・・・ザザー・・・
水平線に沈む夕日に、静かな、波の音だけが響きます。
あっという間で、しかし思い返せば中身ぎっしりの、ハワイ旅行でした。
少しずつ、落ちていく夕日を見つめながら、私とミイホンさんは浜辺に座っていました。
夕日に照らされたミイホンさんの頬は、うっすらと上気するように、赤く染まっていました。
「・・・」
「・・・ミイホンや」
「うん」
「腹が減り果てたよ」
「そろそろだとは思っていたよ」
ラストご飯
さて、私たちが最後のハワイ飯に選んだのはここ!
「THE CANOEHOUSE」
ツイッターでお知り合いになった、ハワイマスターである友人の@raoukonaさんがオススメしてくれたレストランです。
「ハーイお待たせしました、こちらの席へどうぞ」
案内されたのは、浜辺に近い屋外の席。 「波の音が聞こえる、おしゃれな席だね」
「最後の夜に申し分ないよ」
アルコールランプの柔らかい光だけを背景に、ワインとカクテルを酌み交わします。
「おいしいお酒だね。ちょっと風が強くて寒いけど、いい感じだね」
「うんうんちょっと風は強いけどね」
料理が運ばれてきます。
「うほー!こいつはうまそう!」
「よーし!食べアッ」
ビュオー!!
フッ・・・
「アルコールランプが消えました」
「真っ暗だよ」
「店員さーん!店員さーん!ブラックなう!」
半端ない風で、そこらじゅうでテーブルクロスが吹き飛んだり、ランプが消えたりしていました。
大分イレギュラーなくらい風が吹いているみたいでした。
「おーそーりそーり火つけるネーこれで大丈夫ネー」
「アリガトー!」
ポッ
ビュオー!!
フッ・・・
「30秒ももたなかったよ」
「店員さーん!店員さーん!ブラックアウト!クラヤミアゲイン!」
「オーソーリソーリ・・・・オッケェイウェイトプリーズ・・・」
がちゃごちゃとアルコールランプをいじり出した店員さん。そして点火。
ボフォー!!
「コレデダイジョウブネ。グッドラック」
「ねえ俺の知ってるアルコールランプの燃え方と違うんだけど」
「すごい勢いで燃え盛っているよ」
「灯り、というより火炎というか何というか」
その後は風にも負けず花火のような閃光の中ご飯を食べることができました。とても美味しかったし眩しかったです。
「明日はいよいよ帰国だねえ」
「悲しいけれどしょうがないね!家に帰るまでが旅行です!最後まで楽しみましょう!」
ということで、次がハワイ旅行記最後になりそうです!
長々とやってきましたが、最後までおつきあいくださいませー!